「二つを一つにさせる方」

チャプレン室　田中 歩美

皆様には、何でも打ち明けられる人はいるでしょうか？

心を一つにして、共に泣き、共に笑える、そのような関係性をもつ人はいるでしょうか？

 

今日の世界は、家族の「私達」という考えではなく、個人の「私」という考えが増えているように思います。

ある記事で、子どもをもつ母親が「〇〇のお母さん、と呼ばれることが嫌だ。私は子どものお母さん、ではなく、私なんだ」という意見を読んだことがあります。

また広告でも、「親としてではなく、あなた自身の幸せを実現しましょう」という内容の宣伝を見たこともあります。

そして個人の自由を邪魔するものは悪だ、という風潮を感じます。

 

個人意識が強くなると、人はバラバラになっていきます。

人と関わることが束縛・不自由となり、基本的に人と関わらない方が良い、となっていくのです。

「私達」という意識から離れると、人は言いたい放題・思いつき放題になります。

 

しかし、本当にそれで幸せなのでしょうか？

私達は親子関係や夫婦関係、友人関係であれ、同じ心で一つでありたい、と願います。

しかし、それができずに、心に痛みを覚える方もいるのではないでしょうか。

 

聖書には、

「さて、兄弟たち、私たちの主イエス・キリストの名によって、あなたがたにお願いします。どうか皆が語ることを一つにして、仲間割れせず、同じ心、同じ考えで一致してください。(コリント人への手紙第一1章10節)」

とあります。

 

イエス様は、二つになったものを一つにさせるお方です。

断絶した神と人との関係を回復させ、また、人と人との関係を回復させるために、この世界に来てくださいました。

イエス様は、常に「私達」という家族の心をもっておられます。

家族の心、愛の心をもって、私達を結ばせてくださるお方です。

このイエス様によって、私達は同じ心、同じ考えで一つになることができるのです。