「ただ一つのことを」

  • チャプレン室「こころのサプリメント」

「ただ一つのことを」

チャプレン室 宮里 紗矢香

 

 

イエスが旅の道中で、ある村を訪れた時のことです。マルタという一人の女性が、

イエスを自宅に歓迎しました。

 

彼女が早速もてなしの用意に取り掛かるなか、姉妹のマリアはイエスの足元に座り込み、

彼の言葉にすっかり聞き入っていました。

 

落ち着く間もなくあれこれと気を配るマルタをよそに、手伝う素振りも見せないマリア。

その様子に痺れを切らしたマルタは、とうとうイエスに不満をぶつけます。

 

「主よ。私の姉妹が私だけにもてなしをさせているのを、何ともお思いにならないの

ですか。私の手伝いをするように、おっしゃってください。」

 

すると、急き立てるマルタを諭して、イエスは彼女に答えました。

 

 「マルタ、マルタ、あなたはいろいろなことを思い煩って、心を乱しています。

しかし、必要なことは一つだけです。マリアはその良いほうを選びました。

それが彼女から取り上げられることはありません。」

 

もしかすると、マリアは手伝いに加わるよう、何度か声をかけられていたのかもしれません。しかし、その場を離れようとはしませんでした。

イエスが語る真理のうちに、かけがえのないものを見出したからではないでしょうか。

マリアはその“一つのこと”に心を注ぎました。

 

 

「必要なことは一つだけです」

 

なくてはならないものは何でしょうか?

私たちは日々、静かにその問いの前に招かれています。

 

歯車を回し続ける社会は絶えず私たちを駆り立て、必要に応えることを求めます。

しかし、真の必要を知っておられる神は、豊かな恵みをもって私たちに応えてくださいます。

 

本当に大切なものと出会っていく旅路で、神はあなたを待っておられます。