「あなたにも訪れる“新しい始まり”」

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「あなたにも訪れる“新しい始まり”」

チャプレン室 長濱 カンナ

ですから、だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなりました。

(コリント人への手紙 第二5章17節)

 

人は誰でも、「変わりたい」「もっと良い自分になりたい」と願う瞬間があります。

けれど、古い自分を手放し、新しい価値観へと踏み出すのは簡単ではありません。

そんな私たちに、ある人物の物語がひとつのヒントを与えてくれます。

 

パウロという人物は非常に厳格で、自分と違う考えを持つ人々に強い偏見を抱いていました。

ときには敵意をむき出しにし、相手を排除しようとさえしていたのです。

 

しかし、彼の人生はある出来事を境に大きく変わります。

それは、イエス・キリストとの劇的な出会いでした。

 

パウロは旅の途中で、強烈な光に包まれ、倒れ込みます。

その中で彼は、自分が否定し続けてきたイエスの声を聞いたと記録されています。

その瞬間、彼の中で何かが崩れ落ち、同時に新しい何かが芽生えました。

 

聖書の中で、彼に「目から鱗が落ちた」と表現されるように、

これまで見えていなかった真実が突如見えるようになったのです。

 

自分が正しいと思い込んでいた価値観は、実は偏見に満ちていたことに彼は気づきます。

人は誰もが尊く、価値ある存在であり、愛すべき存在であるということ。

この気づきは、彼の生き方を根底から変えました。

 

イエスとの出会いをきっかけに、パウロはまったく別の方向へ歩み始めます。

かつては、人を裁き、傷つける者でしたが、神様の愛を知ってからは、神と人、人と人をつなぎ、励まし、支える者へと変わっていきました。

 

彼は長い旅を続けながら、多くの人々に「あなたは価値ある存在だ。神はあなたを愛している。」と伝え続けました。

 

その姿は、まさに“新しく造り変えられた人”そのものでした。

 

しかし、人はすぐに変わるというものではなく、はじめは価値観の揺らぎや迷いを抱えてしまうこともあります。

正しいと思っていたことが揺らいだり、他人の言葉に影響されて混乱したりすることもあります。それでも、神様は私たち一人ひとりを諦めずに守り、成長させてくださるお方です。

現代を生きる私たちと同じだと思います。

 

もしあなたが今、

「もっと良い自分になりたい」

「このままではいたくない」

そんな思いを抱いているなら、パウロの物語は宗教を超えて、人生のヒントになります。

 

変化は必ずしも決断や劇的な出来事から始まるわけではありません。

心の中に生まれる、小さな気づきから始まることもあります。

 

人はいつからでも変われます。

過去がどうであっても、これからの歩みは自分で選ぶことができます。

 

あなたの人生にも、静かに、しかし確実に、

“新しい始まり”が訪れることを願っています。