マリヤと神の奇跡

チャプレン室　長濱 カンナ

 

神様にとって不可能なことは何一つありません。

（ルカの福音書1章36節）

 

「イエスキリストは処女マリヤによって生まれた。」と聞いたことはあるでしょうか。

聖書には神に遣わされた天使ガブリエルが、

マリヤのところに来て「こわがることはない。マリヤ。

あなたは神から恵みを受けたのです。

ご覧なさい。あなたはみごもって、男の子を産みます。

名をイエスとつけなさい。」と言われます。

マリヤはガブリエルに言いました。

「どうしてそのようなことになりえましょう。私はまだ男の人を知りませんのに。」

 

マリヤは男と関係を持たずに、処女のうちに身ごもりました。

科学的にあり得ない話ですが、

それは、科学が発展していない昔も今も変わらず、あり得ないことでした。

 

マリヤにはすでにヨセフという婚約者がいました。

このようなことは赦されない出来事です。

ユダヤの世界では、結婚式よりも婚約式が重要で、

婚約が結ばれた時点ですでに夫婦関係にあるとみなされるからです。

 

ガブリエルから告げられた言葉は、普通なら受け入れがたいものでしょう。

結婚を前に妊娠が分かれば婚約者からは裏切り者とされ、

周りからは汚れた娘と見られます。

さらに罪に定められ、罰を受けます。

「神様の使いが私に申したのです。」と言えば、

嘘つき呼ばわりされ、周りから虚言癖あるとみなされるかもしれません。

たとえ神様を信じていても、これらの危機を考えると誰もが「私には無理です。」

と言いたくなります。

しかし、マリヤは神様に信頼して神様からの知らせを受け「この身になりますように。」

と受け入れました。

 

神様は私たち人間が考えることをはるかに超えておられます。

実際に、神様はご自身がご計画されたことが成就するために、

婚約者ヨセフにもガブリエルを遣わし、「恐れないであなたの妻マリヤを迎えなさい。

その胎に宿っているものは聖霊によるのです。」と伝え、

親類のザカリヤにも前もって救い主の誕生をお伝えになっていたのです。

神様は奇跡を起こされる方。

そして、生きている現実の中で、状況も万全に整えて守り導いてくださるお方です。

ヨセフとザカリヤ夫婦が、マリヤにとってどれだけ心強かったでしょうか。

 

神様にとって何一つ不可能なことはありません。

あなたを救うために、神様が備えてくださった道が必ず用意されているのです。