「神のことばは永遠に立つ」

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「神のことばは永遠に立つ」

チャプレン室 泉川 良道

草はしおれ花は散る。しかし、神のことばは永遠に立つ(イザヤ40:8)

 

あなたは自分がしおれてきたなと感じることがありますか?

私もそうなのかと悩まされたことがあります。

それまでの自分はこれまでにない気づきやひらめきがあったので70才を前にして成長できていると素朴に嬉しく思いつつの日々でした。

2024年4月、私は二度目の脳梗塞で入院。リハビリに励むことになります。しかし、そのことで心がしおれることはなく、むしろ楽しんで療養していたと言えるでしょう。ところがおかしいのです。何か周りとのずれを感じるのです。普段から神様の存在を軸として生きているので大抵のことは大丈夫だと思っていましたが、これまでの自分とは違う違和感は相当なものでした。

何が起こったのでしょう?

一つは、今回の入院前にすでに抱えていた問題だったと気づきました。実は入院するだいぶ前から歩行が不安定になっていて回数は多くないものの何度か転倒することがありました。転倒リスクを気にするあまり足元だけを見て歩くことが増えたことで、疑似的な鬱っぽい感じになり、座っているとき以外は人の顔を見ることもなくなっていました。人を見ない生活は、気が付かないうちに周りとの関係性を気弱なものにしていたのです。ただ目を向けるか向けないかの違いですが、心のひだを感じられないことは大きな問題です。

さらに追い打ちをかけるように二度目の脳梗塞で右脳をやられてしまいました。人とのつながりを感じるために必要な共感能力もダメージを受け、人の気持ちが以前に比べて伝わりにくいのです。コミュニケーションは繊細なもの。最初のうちは何が起こっているのか意味が分からず、これまでにない違和感に戸惑っていました。

神を信じてはいるものの頼りない自分に不安も感じていたのです。そんな自分にとって拠り所はやはり神の存在でした。いかりを降ろした船のように、私の心を穏やかにし、嵐が過ぎ去るのを待てるようにしてくださったのです。倒れてから一年がたち脳の機能も回復してきたと感じます。自己理解も深まりコミュニケーションも繊細さを取り戻しつつあると実感しています。

 

「恐れるな。わたしはあなたとともにいる。たじろぐな。わたしがあなたの神だから。わたしはあなたを強め、あなたを助け、わたしの義の右の手で、あなたを守る。」 (イザヤ41:10)