こころのサプリメント「光があれ」

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こころのサプリメント「光があれ」

チャプレン室 長濱 カンナ

 

「神は仰せられた。「光があれ。」すると光があった。

神は光を見て良しとされた。神は光とやみとを区別された。

神は光を昼と名づけ、やみを夜と名づけられた。

夕があり、朝があった。第一日。」(創世記1:3-5)

 

神様はまず初めに光を用意されました。

これは、目で見える光のことではありません。

光が現れることによって、やみは相対するものとして区別されました。

 

神様が天地創造の初めに成されたことは、

ただ果てしなく広くて、とりとめのないところに、

光を存在させました。

 

いのちの世界のはじまりに、光はなくてはならない存在です。

いのちあるものは、秩序と調和の中で生かされます。

光は秩序と調和であり、この光によってあらゆるものが、

ひとつにつながる関係性を保つことができるのです。

 

Mさんは、輝かしい学生時代を送っていましたが、

就職してからは波瀾万丈の人生でした。

離婚し、借金までも背負わなければならず、

そこから逃げるように、密かに暮らしていました。

自分の人生はそんなはずではなかった。

Mさんは、自分のことをオープンにできないので、

人付き合いも深くはできず、

誰にも相談することができませんでした。

 

ある日、気分転換に普段は通らない道を歩いて

仕事に向かっていた時、教会を見つけました。

幼い頃、祖母と通った記憶がよみがえり、

心に光が差し込む不思議な感覚に包まれました。

「天の神様 お父様 聞いてください この祈り…」

教会で歌った聖歌が、ふと頭をよぎりました。

「神様が、私を救ってくださる。」

そう確信して、教会の門をたたきました。

 

それからは、Mさんの人生は変化していきました。

「自分の人生は暗闇しかないと思っていたけど、

人生の後半になって、気持ちが明るくなる人生を

送ることができるなんて、私は、幸せです。

自分の汚点が恥ずかしいと感じていたけど、

神様に委ね、親しくなった教会の人たちと分かち合うことで、

気が楽になりました。

まだ、解決されていないこともあるけど、

今までとは違う、安心した気持ちでいられるんです。

それもこれも、光に包み込まれた瞬間、

神様が救ってくださるということに信頼した時から

すべてが開かれていたように感じます。」

とMさんは話されました。

 

光は、新しいのちを輝かせます。

とりとめのない暗闇の世界に、

光は秩序によってまとまりをもたらし、

その人が生きることができるようにしてくださいます。

 

目に見える可視光線は、すべての物を照らしますが、

神がはじめに用意された光は、

私たちのうちにあるすべてを照らし、

やみに打ち勝つように、人をまったく変えられるのです。