「抑制」をテーマに勉強会を行いました

  • 活動報告

「抑制」をテーマに勉強会を行いました

熊本県の老健施設、孔子の里から松永美根子氏をお招きし「抑制」をテーマに職員向けの勉強会を開催しましたので報告します。

日時:2018年10月26日(金) 17:45~19:15
参加者:法人職員55名

概要

認知症患者や寝たきりの高齢者は権利侵害を受けやすくなると言われています。権利侵害とは、具体的には身体拘束や虐待等であり、最も個人の尊厳や人権を侵害するものです。ここでいう身体拘束とは、「利用者の意思に沿わず介護者側の理由で、利用者が自由に行動できないように行動を制限する事」を表しています。身体拘束が認められる緊急やむを得ない状況とは「切迫性・非代替性・一時性」の3要件が全て満たされている場合であり、さらに利用者・ご家族への説明・記録も必要です。これらの要件を満たさず、身体拘束を行っている場合は、高齢者虐待防止法の虐待に該当する可能性もあります。また、ケアにあたる職員は高齢者の虐待を発見した場合、通報する義務があります。たとえ施設内で対応、解決したとしても通報義務がなくなる訳ではありません。
身体拘束・虐待が廃止できない背景には、認知症の知識不足があります。認知症は原因疾患によって病態や治療法・ケア方法が異なり、その方法を学び続ける必要があります。
また、私たちは医学的な管理を優先するあまり、利用者の視点がおろそかになっていないか、ケアが作業的でスタッフ中心になっていないか、私たち職員は常に自らの仕事を点検しなければいけません。なぜならケアによって高齢者の人生は良くも悪くも影響を受けるからです。
松永講師からの説明の後、虐待・身体拘束がもたらす弊害についてのグループワークを行いました。「ミトン型手袋の装着について」をテーマにしたグループは、介護者・利用者側のそれぞれの思いについて意見交換を行っていました。そのグループの参加者から「抑制されている方のことだけでなく、同意されたご家族の背景も大切にしていきたい」、「部署に持ち帰り、スタッフ全員で見直していきたい」という感想があがっていました。

『私たちのケアの究極の目的は、療養者・利用者が一人の人間として周囲に受け入れられ、尊重され、寄り添われ、互いに信頼し合い、人と人との相互関係を維持することです』
と松永講師から結びのメッセージを頂戴いたしました。

20181011