認知症カフェだより

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認知症カフェだより

平成30年8月11日(土) 10時~12時 来場者13名

(ミニ講座)「高齢者の嚥下機能について」 講師 言語聴覚士 藤安 悠子

初めに、先月入職されたというスタッフが興味を持ち参加していただきました。
講義途中には、病棟入院中の方も「先生の話を聞きに来た」とスタッフと参加する方がいました。
高齢者の嚥下機能について、高齢者の年代別死亡要因に誤嚥性肺炎が上位に入ってくることから繋げていき、嚥下器官の紹介や高齢者の食事場面で見られる出来事の説明をおこなっていました。
また、口腔内の状態によっては細菌数だけ比べると便よりも多く菌が存在するとの話に皆さん驚き、口腔ケアの大切さを実感されたようでした。画像などで健康な方の嚥下と高齢の方の嚥下を比較を見ることができ凄く分かりやすかったです。
嚥下機能は全身の状態とも関係しているため、全身運動で姿勢改善・咳の力をアップさせたり、ウォーキングや激しい運動は行わなくても、簡単にできる上半身の体操の紹介などもあり参加者で一緒に行いました。また、とろみ剤の紹介の時は実際に中間のとろみを体験してもらいました。味や、温度によっても飲みやすいものと飲みにくいものがあるとの声が聞かれました。

カフェの質問

①義理父が白米にマヨネーズやごまドレッシングをかけるのですが、どうした方がいいですか。
本人は「痩せてきているから太らないといけない」といっている。
A
 味覚の低下なのか、本当に太らないといけないと思ってるかによります。年齢を考えるとそこまで厳密に塩分など気にするかどうかは各家庭で考え方は違うと思いますが、止めたりしてもやめてくれないのであれば、カローリーカットや減塩等買い置きする物を変えてみる事から初めて見てもいいのでは無いでしょうか。
→ありがとうございます。まずは買う物を変えてみて、観察してみます。

 

②講義の中で水が大切だといっていましたが、水を飲むのが少ない。おかゆを出すがはき出したり、2口食べて終わったり食が細いんですがどうしたらいいですか?
A
 食事の吐き出しは、本人の食べたいタイミングなどもあると思うので、食べる気持ちがあるときに提供したり、落ち着き無く歩き回ったりするなら、その導線にわざと食べるものをちょこちょこ置いてみたら気付いて食べたりする方もいますよ。また、一回の摂取量が減っているかもしれないので、頻回少量で提供したり、カロリーメイト等の市販で販売している物や主治医と相談しながら、補助食品などを取り入れながら様子見るのもいいと思います。また、水分の摂取に関しては、基礎疾患含め、甘い物が大丈夫であればジュースにしたり、トロミを付けて食べるような形で摂取してもらったり、寒天でゼリーなどを作り提供する方法もあるので試してください。
→わかりました、やってみますね。

 

③ベロの動きが悪くなっているんですが、よくする方法はありますか?
A
 スプーンを冷やして、口腔内を刺激するのも良いと思います。年齢を考えると…どうしましょうかね…(今年101歳のおばあちゃん)
→家でためしてみます。ありがとうございます。

 

講義終了後

食事姿勢についてご家族から質問があったため、あしゃぎスタッフでクッション等を利用しながらポジショニング説明。あしゃぎ利用のご家族だった為、食事・トイレ介助方法などについても話を行いました。
また、最近寝ている時にベッドで動き回り柵の間に手や足が入ってしまい身動きが取れなくなってしまうことがある。との話しでは、柵カバーの作り方や柵に手を打ち付けて怪我をするなら、柵に緩衝剤を巻いて柵カバーを行う方法などを説明
→早速、クッション等も購入してみます。柵カバーは利用しないバスタオルとかで作ってみます。

20180811cafe

アンケート

  1. レントゲンの動画があり、説明も分かりやすかったです。誤嚥予防の為の体操も種類が様々あったので実際試してみたい。また参加したいです。女性 25歳
  2. 認知症や誤嚥がある方でも、個人個人によって食事の形態が同じでは無いことや対応の仕方が違ってくると言うことが分かり、勉強になりました。女性 41歳
  3. 嚥下障害がある方はキザミ食はかえって良くないと聞いたことがありますが、キザミ食を導入する際の基準やポイントはありますか?(キザミ食は口の中でパラパラと広がるので逆に誤嚥の危険性もあると聞きました)男性 47歳
    お答え:「嚥下障害」という用語は、摂食嚥下機能がどんな風に悪いか評価する事が前提となります。
    キザミ食を導入する際の基準・ポイントというご質問ですが、まずは個々のケースに応じた食形態を選択するために、選択肢は当然多い方が良いです。複数の食形態の中で、選択肢の1つとして「キザミ食」を導入すること自体は悪いことではないと思っています。ただし、「キザミ食」という名称でも内容は一律で決まっているわけではないので、「どんな人を対象にした」「どんな形態」を提供するのかを十分検討する必要があります。その内容によっては、ご質問にもあったように「口の中でパラパラと広がるので逆に誤嚥の危険性もある」という食形態にもなり得ます。キザミのサイズや食材、まとまりの程度等によって、それを口腔内処理するために必要な能力が異なるため、これに適さない患者には提供せず、導入の際にはそれらをひとつずつ検証します。硬いものはペースト状に近づけない限り、キザミでも硬いままなので、歯牙での粉砕が必要だという認識が必要です。パサつき、硬さ、離水をどこまで許容するか、かつ許容できない部分の対応策(食材の選別、油分や水分の追加/除去、増粘剤(とろみ剤)の使用の有無などなど)を検討する必要があります。
    講座でもお話したように、キザミ食も含めて食形態・水分形態を選択するときには、「その方に不足しているどんな能力を補うための形態なのか」で検討する必要があります。選択肢(=食形態の種類)が複数あり、ケース毎の問題点を見極めてそれに適した食形態を選択すること(=嚥下評価)が重要だと考えています。つまりは、キザミ食導入に際しては、むやみにキザミ食を選択せず、キザミ食の適応を適切に判断できるように、「評価する側のスキル」も重要なポイントといえるかな、と考えています。
  4. 現在勤めている事業所でも認知症カフェに取り組み始めて、いろんな事業所へ見学へ行き勉強させて頂いています。今回嚥下機能についてのSTさんからの勉強会もとても参考になりました。ありがとうございました。女性 25歳

 

まとめ

資料をもとにミニ講座を進行する中で、医療の現場で働いていても口腔内の清潔保持ができていなければ、細菌は便よりも多いことがあることや、言語聴覚士の訓練は発声、発語、嚥下の首から上の訓練だけでは無く上半身も訓練しなければいけないことなど、普段の仕事では分からないことが色々聞けてとても勉強になりました。参加者の方々もとても驚いた表情をみせたりしていたのでとても充実した勉強会だったとおもいました。地域の方々への「認知症カフェ」の周知はもちろんですが、スタッフにも参加して頂きたい内容でした。