こころのサプリメント

「レジリエンスの源」

チャプレン室 長濱 カンナ

 
「信仰は望んでいる事がらを保証し、目に見えないものを確信させるものです。」
(へブル人への手紙11章1節)
 
新型コロナウィルスによって、窮地に追い込まれ、苦悩している人が多くおられると思います。
神様を信じている私たちは、試練に苦悩しながらも、ひたすら、神様のことばに耳を傾け、みことばに従い、忍耐してこの危機を乗り越えられるよう、神様に祈り待ち望むしかありません。
このような状況を通して、神様は何を私たちに教えようとしておられるのか。
このような状況に陥っている意味は何なのだろうか。
一人ひとりの今おかれている環境や状況から、神様から示されることは様々であると思います。
 
このような状況下で、神様に問い続けながらも励まされるのは、窮地を体験された人たちのお話です。そこから立ち上がって、挽回された人々の体験は、私たちを勇気づけます。
 
人には「レジリエンス」と言って、復元する力が備わっています。
カウンセリングは、カウンセリングを受ける本人(クライアント)の秘めている回復力を信じて支援します。それが、心理カウンセラーの仕事です。心理カウンセラーは、アドバイスや指示などはしません。
神様は、人間に復元力、回復力という力を与えて下さいました。
 
東日本大震災による福島原発事故によって、他県への移住を決断したAさん。
すべてを失い、どうしたらよいのかと失望しかけるような状況でしたが、新しい居住地で、福島に住んでいたときのように、同じ形、同じ間取りの家を構えカフェを開くことができました。
Aさんは、幼い頃に教会学校に通っていました。生まれ育ったこの場所には、もう戻れないと知って後、教会にあった絵本の中で、印象強く残っていた聖書のお話が蘇ってきました。アブラハムの甥であるロトが住んでいる、ソドムとゴモラを神様が滅ぼすというお話です。アブラハムの願いを神様が聞き入れ、甥のロトを救うために、神様がみ使いを送りました。み使いはロトに、ここから逃げるように言います。「いのちがけで逃げなさい。うしろを振り返ってはいけない。」その話を思い出したAさんは、自分の生まれ故郷から離れる決心をしました。Aさんの信念と潔さは、奥さんにとって、すぐについていけるような簡単なことではありませんでした。しかし、新居での生活が落ち着いた頃、不安でいっぱいだった奥さんも前向きになり、落ち着いた生活を取り戻すことができました。
 
Aさんは「根拠のない確信があった」とおっしゃっていました。聖書のことばに「信仰は望んでいる事がらを保証し、目に見えないものを確信させるものです。」(へブル11:1)とあります。この確信によって、その状況を忍耐して乗り越えることができたのではないでしょうか。確信は原動力となり、見事に復元・回復させることができたのです。しかし、元に戻ったというより、元のものよりも新しく、良いものを得て、以前以上にAさんは人生を豊かにしたというのが私の印象です。
 
新型コロナ禍という未曽有の状況下で、「すべてのことは益となる。」「きっと、私たちは乗り越えられる。」という確信は、奇蹟を起こすと信じています。
神様を信じて委ねる信仰が、皆さんの人生を豊かにしてくださることを信じてお祈りしています。