こころのサプリメント

「子どもや弱い方々を受け入れる神の国」

チャプレン室 田中 歩美

 
私の実家には、私の子ども時代の写真がアルバムになって何冊も置かれています。
親と一緒に遊んでいる写真、親戚の方に抱っこされている写真、お世話をしてもらっている写真。
記憶にはないのですが、そこには私が両親や祖父母や親戚の方々に囲まれて、嬉しそうにしている自分がいます。
その写真一つ一つを見ていきながら、私がどれほど親から愛情を注いでもらい、お世話をしてもらい、必要を満たしてもらったのかを感じます。
両親だけではなく、祖父母や親戚の方々、また多くの方々の支えがあり、大切にしてもらったことを覚え、感謝の気持ちになります。
 
子どもは、大人の人たちから大切にされ、守られることで成長していきます。
赤ちゃんはこの世界に誕生した時、大きな声で泣くことしかできません。
食事から、着替えから、排泄まで、何一つ自分ですることができません。
自分のお世話をしてくれる人を必要とします。
それを見て「どうしてあなたは自分で自分のこともできないの」と責める人はいません。
親は、愛情を持って声をかけ、ミルクを与え、安心して住める環境を整えてくれます。
周囲の大人が赤ちゃんの必要を満たし、大切にすることで、赤ちゃんはすくすくと成長していきます。
 
神の子として歩まれたイエス様も、子どもを大事にされ、また弟子たちに対しても子どもの大切さを繰り返し教えられています。
しかし、イエス様が活躍された当時、ユダヤ人社会では、子どもたちを始め、女性や弱さを抱えている方々は蔑視されていました。
そういう中にあって、イエス様は、神の国とは、子どもを含め、女性や弱さを抱えている方々を受け入れ、大切にする世界だ、と教えられたのです。
 
現代の日本でも、弱者が大切にされない風潮があります。
しかし、イエス様の教えられた神の国とは、そうではありません。
子どもや高齢者や弱さを抱えている方々を受け入れ、大切にし、必要を満たす愛の関係が、神の国なのです。