こころのサプリメント

「ひまわりを想う」

チャプレン室 林 利行

 
私が小学生の時でした。毎週土曜日は、学校が終わると寿司屋を営む父親の手伝いに行きました。
 
楽しみの一つは、深夜に閉店して、父と一緒にオールナイトで上映している映画館へ行くことでした。
 
当時は、空調設備が珍しく、いち早く空調を導入した映画館には、楽しみと憩いを求めて多くの方が入場していました。私は気持ちよく休んでいる父親のいびきを聞きながら、わくわくして洋画を観ていました。
 
その中の一本。「ひまわり」はご存知でしょうか。第二次世界大戦終結後のイタリアを舞台に、出征したきりの夫の消息を求め、奔走する妻の姿を描いています。
 
戦時下の中、洋裁で生計を立てるナポリ娘のジョハンナと、出兵を待つ兵士アントニオが海岸で出会い、お互いが情熱的に愛し合います。二人は結婚し、夢のような結婚休暇を経て、アントニオはソ連戦線へと送られ、ジョハンナはアントニオの母親と共に夫の帰りを待つことに。
 
終戦後も何年も夫の帰りを待ち続けるジョハンナは、意を決して、夫を探しにソ連へ向かいます。そこで彼女が見たものは厳しい現実でした。
 
真っ赤な陽をあびて美しく輝くひまわりと、白銀の雪の中に冷たく響いてくる冷淡さがコントラストされて、戦争で引き裂かれていく成熟した男女の愛に本当に感動しました。 
 
当時の私はイタリア語はわからず、字幕にもついていけず、名優マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンが演じた表情や仕草から、思いを汲み取ることで理解していました。何とも切ないメロディーが、映画全体を物語っているようで、映画を観終った後も、映画のことを考えてしまう作品として「ひまわり」は忘れることができません。
 
 さて、「ひまわり」を話題にしたのは、毎年真冬に開催される「ひまわりIN北中城」の紹介です。
 
2017年は、1月中旬~2月上旬にかけて日本一早いひまわり祭りとして、約1万平方メートルという広範囲にわたる畑に、40万本ものひまわりの花が満開となりました。真夏を象徴する大輪の花「ひまわり」が、この時期に見ごろを迎えるのは、日本中でもこの北中城村だけです。
 
 2018年も開催すると思います(詳しくは北中城村役場へ)。私は映画「ひまわり」と重なって、平和のための祈りを、このひまわり畑でささげています。
 
「人はみな草のようで、その栄えは、みな草の花のようだ。草はしおれ、花は散る。しかし、主のことばは、とこしえに変わることがない。」(ペテロの手紙 第一1章24節)
 
永遠に変わらないものに、自らの思いを馳せていきたいと思います。