こころのサプリメント

「傷ついた心を折らない方」

チャプレン室 田中 歩美

 
5月から6月にかけて、沖縄は梅雨の季節に入ります。
この時期沖縄では、白い見事な大きな花を咲かせるテッポウユリや、白とピンクと黄色が可愛らしい月桃(げっとう)の花、鮮やかな赤色の花を咲かせる鳳凰木(ホウオウボク)が満開になります。
東京にいた頃、梅雨に咲く花はアジサイが主流で、色も寒色系が多かったのですが、沖縄は様々な花が咲き、色鮮やかな暖色系が多く、地域性がそれぞれあって面白いなあと思います。
 
聖書にも様々な植物が出てきますが、これからご紹介する聖句も植物が出てきます。
「彼(イエス・キリスト)はいたんだ葦を折ることもなく、くすぶる燈心を消すこともない」(マタイの福音書12章20節)
 
葦は水辺に生えるススキに似た植物で、すだれや紙(パピルス)になったり、肥料や燃料にもなりますが、すぐに折れる繊細な植物です。
聖書では葦を人に例え、イエス様は今にも弱り果てた人を、さらに折るようなことをしない方、くすぶる燈心のように今にも希望も命も失いそうな人を、さらに傷つけて心の火を消すことをしない方だと書かれています。
 
イエス様を慕う人たちの中には、取税人や遊女といった周囲の人々から嫌われている人もいました。
取税人のザアカイはお金持ちでしたが、敵国ローマに税を納め、余計に取り立てた税を自分の懐に入れていたため、自国イスラエルの人々からは裏切り者として嫌われていました。
しかしイエス様はそんなザアカイに目を留め、声をかけられ、共に食事をしたのです。
また、当時イスラエルでは、ツァラアトという病気に侵された人などに対して、冷たい視線を向けることが多かったのですが、イエス様はそのように周囲から見捨てられた人のところへ行き、声をかけられ、手をふれられ、癒されたのです。
ですから、イエス様の周りには、傷つき弱った心と体を回復していただいた人が、大勢イエス様を慕ってついてきたのです。
そして、イエス様のそばにいて安心して過ごしていました。
 
私たちに対しても、イエス様は常に優しい愛の心を注いでくださいます。
その愛は、私たちがどのような状態にいても、変わることがありません。
傷つき弱り果てた心を、イエス様は見下げることも見捨てることもなく、大切に丁寧に接してくださいます。
また、元気を失った心を回復させてくださり、イエス様はいつも私たちと一緒にいてくださり、幸せな日々を送ることができるようにしてくださいます。