こころのサプリメント

「心を打ち明ける」

チャプレン室 長濱 カンナ

 
『王様の耳はロバの耳』という絵本をご存知でしょうか?
私は久しぶりに耳にした友人との話題に、「どういうお話だったかな?」と思い出そうとするのですが、記憶はおぼろげでした。
そこで、改めて内容を調べてみました。
 
床屋が王様の髪を切るのですが、王様の耳の長いのを見て驚きます。
王様からは「誰にも言うのではないぞ。」と言われるのですが、ずっと秘密を守り黙っているうちに床屋のお腹が大きくなるのです。医者に行くと、「隠し事を言えないでいるとお腹が大きくなり、しまいには死んでしまうぞ。」と言われました。
床屋は恐ろしくなり、隠し切れなくなってしまいました。早速、誰もいそうにない場所に行き、地面に穴を掘って「王様の耳はロバの耳」と秘密を穴に向かって言ってしまいます。直接人に秘密を話したわけではありませんが、「王様の耳はロバの耳」といううわさが人々に広まり、王様はそれを知ってしまいます。床屋は王様に呼ばれますが、結局赦されて死刑を免れます。
(ここでは、おおまかな内容にさせていただきます。このお話は、ギリシャ神話の寓話なのですが、絵本など、いくつかのバージョンがあるようです。興味のある方は、本やインターネットでご覧になってみてください。)
 
人は、こころに悩みを抱え、誰にも打ち明けられずにこころの奥底にしまいふたをしてしまうと、心身に支障をきたしてしまうことがあります。こころの奥にふたをしてしまうというのは、本人自身気づかないでいることもあります。また、気づいていても他者には打ち明けられない理由があるかもしれません。ただ話せばいいという簡単なものではないということもあり得るのです。
話すときには、『信頼できる人』に話を打ち明ける必要があります。
また、内容によっては自分のこころと向き合う『こころの整理』『覚悟のようなもの』が必要になることもあります。
 
聖書には、「彼はいたんだ葦を折ることもなく、くすぶる灯心を消すこともなく、まことをもって公義をもたらす。」(イザヤ書42:3)とあります。彼とは、イエス・キリストのことです。天の父なる神様もイエス・キリストも、もっとも弱い者をさえ傷つけないお方であり、神様はおひとりおひとりのこころを尊重し大切に思い、こころが折れないよう、崩れないよう、弱った火が消えないように接するお方です。
また、「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、私のところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。」(マタイ11:28)と、神様ご自身が私たちに声をかけて下さっています。
 
神様に祈りをささげていくことで、こころに平安が訪れる方もいらっしゃいます。また、時に神様は、信頼のおける助け人を送って下さいます。悩みを打ち明け話していくうちに、自分のこころに気づきが与えられるかもしれません。カウンセリングを利用しても良いでしょう。
皆様のこころに癒しと平安がありますように願っています。